2009年07月31日

掲示板の言葉 2009年8月

掲示板の言葉 2009年8月
四月 長崎花の町  八月 長崎灰の町  十月 カラスが死にまする 
                                 井上光晴
  

Posted by 明行寺住職 at 22:27Comments(0)法話

2009年07月31日

語る言葉のその先に‐戦争体験談に思う‐

語る言葉のその先に‐戦争体験談に思う‐

「また、お説教かあ?」
今から20年ほど前、私の小・中学生時代のこと。
「戦争の話」というと、私はそんなふうに感じていました。

おそらく私の同世代はそんな印象をもっているのではないでしょうか。

親戚のおじさん・おばさんなどから聞かされる「戦争の話」は、
そんな語られ方でした。

はじめのうちは、ご自身の辛かった体験を、それは身振り手振りを交えて話してくれまして、
わからないながらも私なりに想像力をはたらかせて、
「さぞ辛かったのだろうなあ…」と、聞き入ったものです。

それが、だんだんと、「それに比べて、今の時代は…」という言葉が出てくると、
もう、ダメなのです。
「今は何でも揃っていて、恵まれすぎだ」とか「今の子どもは苦労を知らない」とか、
そんな結末が見えてしまうからです。

そんなことがあって、「戦争の話」は、あまり、聞きたくない話題になってしまったのです。
戦争の悲惨さやむごさもありますが、それよりも、お説教だったからです。

そして、どこかに「何だかヘンだなあ」と感じていました。
「戦争って、いけないことなのに…。どうして、平和な今の時代がダメなような話になるんだろう…」
そこが不可解だったのですが、その思いをどう言い表していいのかわかりませんでした。
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Posted by 明行寺住職 at 22:25Comments(0)法話